マインドフルネスの話

ブッダの瞑想法が、現代人の有効なセルフケアに

マインドフルネスの源流は、2500年以上前にインドで仏教を興したブッダの瞑想法ですが、今、マインドフルネスを最も積極的に医療機関や企業で取り入れているのは、もともと仏教が浸透していなかった欧米諸国です。

おそらく、仏教に馴染みがなかったことによって、宗教を信仰することとは切り離した形で、瞑想法を活用しようということに抵抗が少なかったのでしょう。一方日本では数十年前から新宗教において、瞑想と似通った手法で信者を洗脳したことで問題となり、瞑想やヨガなどに対して負のイメージが定着してしまったことが、マインドフルネスの普及を遅らせる大きな要因となりました。

それでもこの10年ほどで急速に、日本国内でも医療や職域、スポーツなど様々な分野でマインドフルネスが導入される動きが見られ、学術的にマインドフルネスを検証する日本マインドフルネス学会も発足しました。その背景には、世界的に急速なIT化が進むことで、現代人は常にマルチタスクの状態で働かなければならず、自分の心や体とじっくり向き合うための時間をほとんど持てなくなってしまったことがあるのではないかと思います。

ストレスを感じる人イメージ画像

ある調査によれば、この10年間で、ネット社会をとびかう情報量は700倍に増加していることが分かっています。今や年齢や仕事に関わらず、誰もが限りある注意力の資源をほとんど外部から入ってくる膨大な情報を処理することに使い果たしてしまい、自分の心や体に向けることができなくなりつつあります。

心に余裕がなく、知らず知らずのうちに疲弊してしまいがちな全ての方たちにとって、マインドフルネスは、自らの心と体を休め、癒すことにつながります。ほんの少しの時間でも立ち止まって、呼吸に注意を向けていただくというシンプルな瞑想の取り組みが、どれほど有効なセルフケアの手段となるか、体験してみてください。