マインドフルネスの話

「認められたい!」がなくなるマインドフルネス

「こんなに自分はがんばっているのに、誰も評価してくれない」「こんなに素晴らしい画像をアップしたのに、だれも“いいね”してくれないなんて…」。
自分が高く評価されない、注目してもらえない、愛されていない!といった不満を抱き、心が落ち着かない。ネット社会の中では、そんな人が多く存在しています。

とはいえ、もっと自分を認めてもらいたいという「承認欲求」は、人ならだれしも持っているもの。しかし、それがあまりに肥大化してしまい、いつも心の中に不平・不満が充満している場合には、問題があります。「認められない…!」というストレスで自分自身の心が疲弊してしまうからです。

そういう方にぜひ試してもらいたいのが、誰かに褒められることよりも、まずは自分で自分自身のことを認め、ほめることです。過剰に「褒められたい!」という心理の裏側には、「自分は無価値な人間なのかもしれない…でも認めたくない。だから褒められたい!」という不安が潜んでいます。だから、例えば誰かに親切にしても、その見返りを強く求めてしまう…といったことが起こります。

そのためには、まずは静かに呼吸瞑想をして、心が静まったところで今日、自分自身でほめてあげるポイントを探してみてください。いつもより早く仕事を終えることができた。契約が一つとれた。友人に親切にできた……など、なんでもかまいません。その一つ一つをほめていくうちに、徐々に周りの評価を気にする気持ちが薄れていくことを実感できることでしょう。
それが、自己肯定感を自ら育むことにつながり、健全な自己愛に変わっていくはずです。

ぜひお休み前のリラックスタイムなど、毎日1回、この「自分をほめてあげるワーク」をルーティンとして取り入れていただければ幸いです。

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医