マインドフルネスの話

最前線のビジネスパーソンがマインドフルネスを実践するワケ

マインドフルネスの存在と効果が広く知られるようになったのは、2000年代に入ってからのこと。アメリカ企業の多くが従業員のパフォーマンスアップのために取り入れ始めたことで大きな波が生まれました。シリコンバレーやウォールストリートなど、ビジネスの最前線にいるビジネスパーソンたちを中心に広がっていったという経緯があります。

なぜ、忙しいビジネスパーソンほどマインドフルネスを必要としたのか?
それは、脳の「デフォルト・モード・ネットワーク(以下、DMN)」という機能が関係しています。

DMNはいわば「脳のアイドリング状態」をつくるもので、私たちが常に何かに反応できるように、脳が備えるための機能です。新しいアイデアを生むためにも大切な機能であることが分かっています。そして、常に膨大な情報を処理し続けるビジネスパーソンほど、この機能が常に稼働状態になるため、脳がオーバーヒートを起こしてしまうことが、近年問題になっていました。2018年にドイツの研究者は「うつ病患者の脳では、DMNが過剰になったまま収まらない傾向があり、それによって脳疲労を起こしている可能性がある」と発表されました。

情報過多によってヒートアップした脳を休ませ、クールダウンするのに効果的なものとして、注目を集めたのがマインドフルネスでした。実際にマインドフルネス瞑想を行っている間、DMNのはたらきが穏やかになることも、脳の画像研究で示されています。

外から流れ込み続ける情報を一時遮断し、自分の内側へ意識を向けることで、脳をクールダウンさせ、心を安らかにする。その後、集中力や思考力を取り戻し、またリフレッシュした脳でビジネスの舞台へ戻り、パフォーマンスを発揮する。そんな健全で持続可能な働き方が今、マインドフルネスによって実現可能になっているのです。

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