マインドフルネスの話

人間関係が劇的改善する「マインドフル・リスニング」

特定の相手に対して、うまく関係性が結べない、ということはよくあること。苦手意識を持つと思考停止してしまって、うまく話ができなくなり、余計に関係がこじれてしまいがちです。そんなときに役立つのが「マインドフル・リスニング」というテクニックです。

私たちは相手の話を聞くとき、実は、多くの時間上の空であることがわかっています。ハーバード大学の心理学者、マシュー・キリングワースの2010年の発表によると、人は起きて活動している時間の50%近くを「今やっていること」について意識せずに過ごしているということがわかりました。つまり、人と会話をしているときも、少なくない時間、上の空でいる可能性があります。

この逆を行うのが、「マインドフル・リスニング」です。相手の話に全力で集中し、相手の気持ちを全力で推測するのです。そして、それを言葉に出して伝えます。

例えば「昨日、こんな悲しいことがあって…」という話をされたときには「それは本当に悲しい思いをしたんですね…」と相手の気持ちや発言内容を短くまとめて反芻します。ポイントは反対意見や疑問を返さないこと。相手の感情によりそうことに集中してください。

関係性を良くするときに最も大切なことは、相手を尊重することです。自分の話を真剣に聴き、共感してくれると、誰もがうれしくなります。自分のことを尊重してくれていると感じ、徐々にその相手に対して同じように丁寧な受け答えをするように変わってきます。

これは、仏教でいう「因果応報」です。悪いことをすると災厄となって帰ってくる、というイメージが大きい言葉ですが、実は、良いことも同じように自分に返ってきます。

良好に付き合いたい相手に対しては、「マインドフル・リスニング」でまずは相手を尊重する気持ちを伝えることが、早道です。