マインドフルネスの話

瞑想+アファメーションで成功を引き寄せる

重要な交渉やプレゼンテーションを控えているときは、誰もが「失敗したらどうしよう…」という不安を抱くものです。緊張をして夜眠れなくなったり、精神状態も不安定になることもあるでしょう。

そんなときには、マインドフルネス瞑想でまずは精神を落ち着かせた後に、「アファメーション」を実践することをおすすめします。

アファメーションとは、望む自分の姿や願望を心のなかで繰り返し唱えることで、ポジティブで幸せな感情や思考を促すメソッドのこと。近年、多くのアスリートやアーティスト、起業家たちの間で実践されているメンタルトレーニングのひとつです。

マインドフルネス瞑想でまずは雑念を取り去り、心をフラットな状態に整えます。その後に、なりたい自分や成功している自分をアファメーションによって「脳内体験」をするのです。妄想や想像にとどまらず、実際に体験しているかのようにリアルにイメージすることが重要です。

レモンを思い出すと口の中に唾液が出てくることがあります。楽しいことを思い出せば口元がゆるみますし、許せない出来事を思い出した時には体が硬くなって顔は険しくなるでしょう。同じように、成功をリアルに脳内に思い浮べることで成功を「脳内体験」することができるということです。

例えば、「私は堂々とプレゼンをして高評価を得ている」と3回唱えたあとに、実際に大勢の前でプレゼンをしている自分を詳細にイメージします。会場も、目の前の聴衆もできるだけリアルに脳内で再現しましょう。その後に得られるだろう達成感もじっくりと味わってください。これを不安がなくなるまで繰り返します。

脳は現実とイメージ上の体験(脳内体験)を完全には区別することはできないと考えられています。アファメーションを繰り返すたびに、実際の成功体験として記憶と感情に刻まれることが期待できるのです。すると徐々に明るく前向きな気持ちになり、成功へと結びつく行動を選択するように変わっていくでしょう。

大切な局面にはぜひ、この瞑想とアファメーションのコラボレーションで、成功を引き寄せてください。

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医