マインドフルネスの話

更年期症状を緩和するマインドフルネス

40代後半になると、多くの女性が更年期障害によるさまざまな不調に悩まされるようになります。精神が不安定になったり、体のいろいろなところに痛みが現れたり、疲れやすくなったり。生活や仕事に支障が出ることもめずらしくありません。

マインドフルネスが、こうした更年期症状を軽減する効果があると報告したのが、アメリカのメイヨークリニックのリチャーズ・ソッド医師です。

同病院の婦人科を受診した中年女性1744人を対象に、マインドフルネスが更年期症状に及ぼす影響を調べたところ、ストレス症状が強い女性ほど、更年期症状に対するマインドフルネス効果が高いことが判明。

ソッド医師は「ホットフラッシュや寝汗の低減は見られなかったが、抗うつ、短期、不安などの症状は低減された。マインドフルネスは女性の更年期症状に対する治療の選択肢の一つとして考えられる」と語っています。

40代後半~の女性は、プライベートも仕事においても役割やタスクが山積みになりやすい時期。そのうえ、更年期をはじめとする体の変調も現れやすくなります。自己管理のための有用な方法として、マインドフルネスを取り入れることは非常に有効と言えるでしょう。

参考:https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/13697137.2018.1551344

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医