マインドフルネスの話

マインドフルネスが学習効果を高める

現在では、ビジネス業界におけるパフォーマンスアップや、医療機関でのメンタルケアなど、様々な分野でマインドフルネスのポジティブな効果が確認され、積極的に取り入れられるようになりました。

そして最近では、教育の現場においても、マインドフルネスがポジティブな影響を与える可能性があることが分かってきました。

それを示す研究のひとつが、カナダのブリティッシュコロンビア大学が行った、小学生を対象とした調査です。

この調査では、99人の小学4年生と5年生を対象に、小学生向けに設計されたマインドフルネスプログラムを実施、その前後の生理的なストレス度や幸福度、社会性や数学の成績を評価しました。

その結果、マインドフルネスプログラムを行った子どもたちは、数学の成績が15%向上することが分かったのです。それだけでなく、ポジティブな社会的行動が20%向上したり、攻撃性が24%減少することも確認されました。

研究者は「マインドフルネスには、子どもの前向きな行動や認知のポジティブな変化をもたらす可能性がある」と語っています。

マインドフルネス瞑想については、集中力や認知能力を高めることがこれまでにさまざまな研究によって明らかにされてきましたが、それらの効果が、子どもたちの学力や社会性の向上に影響したと予想できます。

もちろん、大人に対しても同様の効果は期待できるでしょう。お子さんがいる家庭ではぜひ、夜の5~10分、コミュニケーションの一環として、親子でマインドフルネス瞑想をやってみてはいかがでしょうか。

参考:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4323355/

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医