マインドフルネスの話

マインドフルネスで「先延ばしグセ」をなおす

やらなきゃいけないのは分かっているのに、なかなか手を付けられない。関係ないメールを返したり、掃除をはじめたり…。そんな状況になってしまった経験は、誰もがあることでしょう。
「自分は先延ばしグセの常習犯だ」と自覚がある場合には、マインドフルネスがその改善の役にたつかもしれません。

香港教育大学で行われた研究によると、339人の大学生を対象に6カ月間にわたって専門アンケートを実施、分析したところ、マインドフルネス傾向のレベルと先延ばしグセには、反比例の関係があることが分かりました。

つまり、マインドフルネスの傾向が高いと先延ばしグセの傾向が低く、マインドフルネスの傾向が低いと先延ばしグセの傾向が高い…ということが確認されたのです。
同研究では、マインドフルネスレベルを向上させることで、先延ばしグセ傾向が減少されることも判明しています。

「今、この瞬間」に意識を留めることが、マインドフルネスが目指す状態。つまり、マインドフルネスの思想やメソッドをトレーニングすることで、目の前の出来事に集中する力が養われると考えられます。

先延ばしグセが発動しそうになったときには、マインドフルネスの呼吸瞑想を行ってみてください。集中力、判断力が向上して、「今、この瞬間」にやるべきことに意識が向けられるようになるでしょう。

参考:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0191886918306500?via%3Dihub

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医