マインドフルネスの話

在宅勤務のストレスを軽減するマインドフルネス

パンデミック以降、リモートワークが定着し、感染対策が緩和された現代においても週に数回出社する以外は在宅勤務…といった企業は少なくありません。

通勤の負担が軽減されたり、家庭との両立をしやすくなったりといったメリットがある一方、「チーム間のコミュニケーションがとりづらい」「オンオフの切り替えができない」といった、新たなストレスを感じるようになった人も少なくないようです。
そうした従業員のメンタルヘルスは、企業の新たな課題となりつつあります。

そんななか、在宅勤務のストレス緩和にマインドフルネスが有効であることを示す研究が、昨今、発表されました。

ドイツのハンブルグ応用科学大学は、在宅勤務を行う40人の研究員を対象に、1日20分のマインドフルネストレーニングを4週間実施し、マインドフルネスレベルとストレスレベルにどのような影響を及ぼすかを分析。結果、ストレスレベルが大幅に減少することが確認されました。
研究者は「マインドフルネスによるストレス管理は、在宅勤務または別の場所で働く従業員に対して、非常に費用対効果の高いストレス対処戦略といえる」と語っています。

新しい生活様式が生まれることは、便利になる一方で、どこかに思わぬひずみが出てしまうものです。リモートワークでストレスを感じる人は、1日の仕事始めにマインドフルネスの呼吸瞑想を行うことが、有効な対策法となるかもしれません。ぜひ、試してみてください。

参考:https://www.mdpi.com/1660-4601/19/24/16422

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医