マインドフルネスの話

マインドフルネスで皮膚の健康を取り戻す

季節の変わり目や、疲れやストレスがたまると、体に発疹が出る…そんな人は少なくありません。アトピー性皮膚炎や乾癬、じんましんなどの皮膚疾患に悩む患者は、年々増加傾向にあるといいます。

こうしたつらい体のかゆみ、皮膚の異常を、マインドフルネスが軽減する。そんな研究結果が、昨今、発表されました。

カリフォルニア大学、ジョージワシントン大学らの研究チームが乾癬の治療に及ぼすマインドフルネスの影響について、6つの論文の研究結果を分析、評価した結果、「乾癬の重症度と患者の生活の質の両方を短期間で改善する」と結論づけました。

各研究で行われていたのは、8~12週間のガイド付き瞑想など。アトピー性皮膚炎や乾癬の発症メカニズムとして、体内の免疫系の異常が指摘されていることから、マインドフルネス瞑想が免疫系を調えることに寄与した可能性が示唆されています。そして瞑想を継続することによって、皮膚の状態が改善するだけでなく、精神的な健康度の向上も報告されたとのことです。

皮膚の炎症を抑えるためには、まずは心を調えることが効果的。そのことを示唆しているといえるでしょう。

参考:https://link.springer.com/article/10.1007/s13555-022-00802-1

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医