マインドフルネスの話

眠れない夜には「手当ての瞑想」でリラックス

冬から春へと季節が移る季節は、日に日に暖かさを増して、気持ちも晴れやかになるもの。しかし、同時に生活に変化が起こりやすい時期だったり、気温の変化が激しいことも影響して、精神的に不安定になりやすい季節でもあります。

不安感や緊張感から、心が落ち着かず、夜も寝つきが悪くなった…そんな人も増えてくるころです。

そんなときには、ぜひ「手当ての瞑想」を試してみてください。やり方はとても簡単で、横になって目を閉じ、体を手のひらでゆっくりとさすっていくだけです。

イギリスで行われた研究によると、私たちは1秒間に5cm動かすぐらいのゆっくりとした速さで体をなでることで、心理的な安心感を得て、リラックスすることが分かっています。

まずは寝たまま膝を立てて両手で左右の太ももをゆっくりとさすりましょう。つぎにお腹、胸、首、頭部といったかたちで、順にゆっくりとさすり、その手の感覚に注意を集中させてください。

さすっている間は、少しだけ口角を上げ、自分自身に対していたわるような優しい気持ちを向けてみましょう。

徐々に体温が上がり、それにつれて不安や緊張もやわらいで、スムーズに入眠ができることでしょう。ぜひお試しください。

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医