マインドフルネスの話

血圧コントロールに役立つマインドフルネスの呼吸瞑想

日本国内で約4300万人、日本人の3人にひとりは高血圧と言われている昨今、心疾患や脳卒中への不安を抱えている人はとても多いことでしょう。
その反面、はっきりとした自覚症状がないことから、定期的に通院したり、降圧剤を服用したりと、何かしらの治療を受けている人は少数派…ともいわれています。

そんななか、「ウェアラブルデバイス+マインドフルネス」で血圧を自己管理する効果を示したのが、Googleの研究チームです。

研究の参加者は、スマートウォッチにマインドフルネスの呼吸瞑想をガイドするアプリをダウンロードし、1日1回、就寝前にアプリを使用。呼吸瞑想の前後で収縮期血圧と拡張期血圧を測定しました。
結果、血圧は減少することが確認されたのです。平均して「15分間の呼吸瞑想で収縮期血圧が9.7mmHg低下」効果があることが分かりました。

この血圧低下の効果は即時的であるだけでなく、その後数日間、効果が持続することも確認されています。つまり、日常的な習慣にすることで、健全な血圧を保ち続ける効果が期待できるということです。

もちろん、標準治療や食事や運動も血圧コントロールには必須ですが、それらを補完する、とても効果的な方法になるといえます。血圧が上がりやすいタイミング……起床時やストレスを感じた時には、効果的な非薬物療法として、マインドフルネスの呼吸瞑想をするのも有効でしょう。

参考:https://www.frontiersin.org/journals/physiology/articles/10.3389/fphys.2023.1339873/full

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医