マインドフルネスの話

未来に不安しかないときの「書く瞑想」

「自分はこのままでいいのだろうか」「この先、どうなるか不安でしょうがない」
だれもが、自分の将来に不安を抱く瞬間はあるものです。特に、昨今はコロナ禍の影響もあり、先が見えずに不安にとらわれてしまう人も少なくありません。

そんなときには、自分はこれからどうすればいいのか、本当に自分が望んでいる未来は何か。そんなときには、自己発見のためのマインドフルネス的なトレーニングに、「ジャーナリング」をぜひ試してみてください。

まず、紙とペンを用意します。静かで落ち着ける時間と場所を選び、数分間の呼吸瞑想を行ってください。心身が落ち着いたら、紙に自分にとって楽しいこと、うれしいこと、やってみたかったことを思い浮かぶままに書き留めていきます。
ポイントは、本当に自分が心から喜べることに絞ること。現実的な目標ではなく、過去や未来にとらわれず、心を自由にすることです。そうすることで、思いもよらなかった自分の夢や可能性、ハッとさせられるアイデアが浮かびやすくなります。

1日の終わりの5分間だけでも、このジャーナリングに取り組むことで、自分の望む未来が「見える化」されることで心が落ち着いてくるでしょう。ぜひ実践してみてください。

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医