マインドフルネスの話

マインドフルネスでチームワークを高める

ビジネスリーダーたちに多い悩みに「チームワークを如何にして高めるか」というものがあります。

昭和的な価値観で、力強いリーダーのけん引力でチームをリードする、というのも昨今では難しくなってきました。何度も飲みにいって親睦を高める・・・ということも、パンデミックを境に機会を得ることは難しくなっています。時代の流れで多様な価値観を持ち合わせたメンバーを一つにまとめることは、年々ハードルが高くなってきているといえます。

そんななか、チームワーク強化の一環として、マインドフルネスを取り入れる企業やスポーツチームが増えてきました。マサチューセッツ大学医学大学院のマインドフルネスセンターの所長であるジョン・カバットジン教授は、ハーバード大学のボート競技チームやオリンピックのボート競技代表チームにマインドフルネスのトレーニングを取り入れ、大きな話題となりました。

選手たちは皆でお互いの手をつないで円陣を組み、自分たちの呼吸に集中してからボートに乗りこむ、ということを実践していたといいます。「マインドフルネスの実践によって、思いやりの気持ちが育ち、チームワークが向上する」と、カバットジン教授は言います。

2014年、アメリカで行われたアメフトの祭典スーパーボウルで、マインドフルネスを導入したシアトルシーホークスが優勝したことも、大きな話題となりました。

朝礼(オンラインも含む)で1分でもいいので、そうしたマインドフルネス習慣を取り入れることで、チームの絆を高めることにつながります。個々のパフォーマンスアップにも役立つので、ぜひ取り入れてみてください。

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医