マインドフルネスの話

マインドフルネスで会議の効果を数倍に引き上げる

最近は、「会議はムダ」「会議はなるべくやらないほうがいい」という意見が多勢となる傾向になってきました。確かに、パソコンやスマホを眺めながら、ダラダラと時間ばかりかけていては、時間と気力の無駄使いになってしまいます。

そこで、おすすめしたいのが、「マインドフルに会議をする」ということ。「今この瞬間に意識を集中する」マインドフルネスの状態を会議で実践することで、時短化になるうえ、会議を行うメリットが高まります。

まず、会議を行う場所へ向かうときは、歩きながらマインドフルネスの瞑想を行います。一歩一歩に集中し、呼吸にも集中します。会議の始まりには、全員で1~2分間の呼吸瞑想ができればベストです。「これから会議を始める」という心の準備をすることで、全員が意識を集中させ、やる気アップの効果が得られます。

会議が始まったら、発言者の言葉に集中することに最大の努力を払います。発言者も、自分の一言一言に、集中しましょう。

「そんなこと、いつもやってるよ」と思うかもしれません。しかし、意外とこれが出来ていないケースは少なくありません。次の予定を考えていたり、違うメールを眺めていたり・・・こうした積み重ねが、聞き漏れや認識のずれを生み、会議を長引かせたり、意義が感じられなくなったりして、時間を無駄にすることになるのです。

集中が途切れていることに気が付いたら、その都度、意識を引き戻して集中をし直します。それもまた「今この瞬間に集中する」マインドフルネスの瞑想になります。

マインドフルな会議で集中力だけでなく、判断力や創造力も高まるため、結果的に時間の短縮化、ミーティングを行う効果の増大につながります。

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医