マインドフルネスの話

勉強前後の瞑想で記憶力をアップ!

膨大な資料をまとめたり、大事な試験の前には、たくさんのことを頭の中に詰め込むことが欠かせません。ところが、成人を過ぎたころから、脳の記憶する力は年々低下することが分かっています。さらに、仕事のストレスを抱えていると、その影響でさらに記憶力は低下します。

とはいえ、歳をとったのだから覚えが悪いのはしかたない……とあきらめるのは早計です。というのも、ハーバード大学の研究によると、毎日30分程度のマインドフルネス瞑想を行うことで、記憶を司る脳の「海馬」の体積が増加することが分かったからです。しかも、2週間の実践でその増加率は5%と、驚くべき効果があったのです。

また、マインドフルネスの瞑想中には、本来、浅い睡眠状態の際に発現する「シータ波」という脳波が現れることも分かっています。脳は浅い睡眠時に記憶の整理をしています。覚醒しながら脳が同じ「記憶の整理モード」になっていることは十分考えられるでしょう。

仕事や勉強の前後にマインドフルネス瞑想をすることで記憶力を高めることが期待できるでしょう。ぜひ実践してみてください。

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医