マインドフルネスの話

テレワークストレスを軽減するマインドフルネス

なかなか出口が見えないコロナ禍のなか、一時的なテレワークがすっかりデフォルトになった企業も多くなってきました。通勤の負担がなくなって、歓迎する声も当初はありましたが、最近になって「仕事とプライベートの境界があいまいになって気が休まらない」「かえって長時間労働になった」といった声も聞こえてきました。

中には長引くオンライン会議に疲弊して、徐々に気持ちが鬱々としたり、やる気を失う燃え尽き症候群になる人も。気晴らしになる友人との会話や、会食などもなく、ストレスを発散する機会が激減したことも大きく影響しているといえます。

そんななか、アメリカ・インディアナ大学のビジネススクールの雑誌『Business Horaizons』は、コロナ禍の在宅勤務によるストレス緩和に、マインドフルネスを推奨する論文を掲載しました。論文には、マインドフルネスのメリットとして次の3つを挙げています。

  • ①精神的に仕事から離れることを助けることができる
  • ②仕事に対する注意を改善してパフォーマンスを上げる
  • ③画面に接することによる疲労をコントロールできる

勤務時間外も仕事について考えることがやめられない。逆に、勤務中に気が散りやすい。オンラインの作業に対する疲労感が抜けない。こうしたテレワークならではの悩みを、マインドフルネスを行うことで、適切にケアをすることを本論文では推奨しています。

テレワーク疲れを感じた時にはパソコンを一度オフラインにして、静かに呼吸瞑想をする。そんな習慣でセルフケアをしながら在宅勤務を乗り切ってください。

引用:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0007681320301191?via%3Dihub

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医