マインドフルネスの話

脳がクリアになるPC&スマホのセットアップ法

集中して資料を作成しなくてはいけないのに、パソコンの画面上にはポップアップメッセージが次々ときたり、手元になるスマホからは着信音が…内容を確認したり、返信したりしているうちに、あっという間に終業時間!
そんな経験は、誰もがあることでしょう。

次から次へと届く情報をすぐにさばいていくマルチタスクは、現代のビジネスパーソンには必須のスキルではありますが、ある意味、しっかり集中して行うべきクリエイティブな作業へ切り替えることが難しくなっています。マルチタスクを続けることでどんどん脳が疲労していき、さらに集中力を失っていくことは必至。

そのため、集中したいときには、「脳がクリアになるセットアップ法」をぜひ試してみてください。

まず、スマホは音とバイブ機能をオフにして、かばんやデスクの引き出しの中など、目に入らないところへしまってください。スマホは目に入るだけで気を散らしてしまうことが分かっています。

次に、パソコンの音とポップアップ機能もオフにしましょう。作業に必要なアプリケーションだけを残し、他のアプリはすべて終了させます。できればデスクの上も、必要な資料以外は目に入らない状態に整えてください。

そこまで環境を整えたら、1分間目を閉じ、呼吸瞑想を行います。最初は呼吸のみに意識を集中し、その後にこれから行う作業の大まかなプロセスを頭に思い描きます。そして、それが終わった状態までイメージできたら、静かに目を開け、作業をスタート。30~1時間など、時間を決めて、その間はその作業に集中します。メールや電話の応答も避けます。

そして30分おき、あるいは1時間おきにいったん目の前のタスクから意識を解除して、このセットアップ法を繰り返すのです。海外では「ポモドーロ・テクニック」という、25分おきに休憩をはさむ手法で作業効率を高める手法がよく知られていますが、これにマインドフルネスの呼吸瞑想の要素を加えたグレードアップ版とも言えるでしょう。これまでよりも生産性をぐっと高めることができると思いますから、ぜひ、試してみてください。

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医