マインドフルネスの話

外国語習得をサポートするマインドフルネス

小学校での英語授業が定着し、東京都立高校入試では英語のスピーキングテストがスタート。それに伴い、海外の大学受験の希望者が年々増加するなど、より実践的な英語教育の必要性が高まりを見せています。

とはいえ、日本人の「英語が苦手」というコンプレックスはなかなか根強く、英語習得に挫折した人は少なくないでしょう。
そんな人たちにとっての福音ともいえる最新研究が昨今、発表されました。それは「マインドフルネスが第二外国語の学習効果を高める」というものです。

京都大学が行った研究によると、269人の日本人大学生のマインドフルネスレベルと、ドイツ語の学習能力との関連を調査、分析したところ、マインドフルネスレベルが高いほど、ドイツ語の語彙の保持力が向上することが明らかになりました。
語彙の積み上げは、言語学習の核となるものです。その向上を後押しするものとして、「マインドフルネスの『意識をもって行動する』という思考が鍵となったと考えられる」と、研究者は語っています。

マインドフルネスの実践が学習のパフォーマンスを高めるという研究はこれまでもありましたが、外国語習得に対してポジティブな影響を与えることを明らかにしたのは、はじめてのこと。
英語コンプレックス解消のカギ、挫折予防として、マインドフルネスを学習プランに取り入れることをおすすめします。

参考:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0346251X22001919?via%3Dihub

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医