マインドフルネスの話

入眠をスムーズにするマインドフルネス

パソコンやスマホ、テレビなど、端末の画面を夜遅くまで見ることが習慣になっている。また、夜にジムでトレーニングをしたり、ジョギングをしている。そんなライフスタイルの人は、どうしても神経が覚醒したままベッドへ入ることになるため、寝つきが悪くなっているかもしれません。

そのために、睡眠時間が短くなってしまったり、睡眠質の質が低下したりすることから、「朝起きてもすっきりしない」「頭がボーっとしている」「疲れが取れない…」といったことにつながってしまうことも。
そんな睡眠の悩みに、マインドフルネスが役立つことが、最近の研究で明らかになりました。

香港教育大学が大学生アスリートを対象に行った研究では、夜間トレーニング後、就寝直前に6分間のマインドフルネスを行ったグループと、行わなかったグループの睡眠前の覚醒状態と睡眠時間、全体的な睡眠の質、休息レベルなどを計測、分析を実施しました。
その結果、マインドフルネスを行ったグループの睡眠前の覚醒状態は低下し、休息レベルと睡眠の質が改善されることが分かったのです。

「どうも寝つきが悪い…」というときには、短時間でもマインドフルネス瞑想をすることが、スムーズな入眠の手助けとなるでしょう。
とはいえ、同研究では「睡眠時間には影響なかった」という結果も出ています。十分な睡眠時間を確保すること、直前の端末の使用を控えたり、入眠3時間前には強度の強い運動を避ける…といった、睡眠改善のための習慣づくりにも配慮することをおすすめします。

参考:https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2018.00508/full

川野泰周
臨済宗建長寺派「林香寺」住職、精神科医